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肩手症候群を運動学的に考える

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リハビリテーション
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こんにちは。physical太郎です。

今回は、肩手症候群を運動学的に考えてみたいと思います。

 

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肩手症候群について

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片麻痺者の肩手症候群の約75%は脳血管疾患の発症から約3ヶ月間で発生しています。そのため早期での対応が必要ですが、予防に関するリハビリテーションとしてどのようなことができるのでしょか。

さらに、肩手症候群全体を見ても、リハビリテーションとして確立されたものは少なく、片麻痺者の痛みは慢性化しやすいです。日常生活活動や生活の質への影響も長期にわたってしまいます。

 

 

肩手症候群に対する予防的介入のポイント

肩手症候群のサイクルは最初の痛みによって始まります。そのため、予防的介入のポイントとしては、「上肢に痛みなどの刺激を反復して与えないこと」です。

つまり、肩関節や手関節の評価を行う際に、上肢のアライメントを含めた姿勢や関節運動を運動学的に解釈する必要があります。

しかし、肩手症候群がよくみられる急性期の時期には不動のまま過ごしてしまう方も多く、基本動作の評価ができないこともあります。

そこで重要なのが、良肢位」を保持することです。

 

 

背臥位での上肢のアライメント

健常者の上肢のアライメント

背臥位では、背面からの肩甲骨の観察はできません。

そこで着目するのが鎖骨と肩甲骨面の角度です。

健常者では鎖骨と肩甲骨面は約60°(棘鎖角)、全額面と肩甲骨面は約30°といわれています。

良肢位の基準はこれらを参考にすると良いです。

片麻痺者の上肢のアライメント

肩甲帯伸展位

タオルなどで良肢位保持をしていない急性期の片麻痺者の背臥位では、前額面と肩甲骨面の角度が30°よりも小さくなり、鎖骨遠位部や肩峰は後退し、肩甲帯伸展位となります。

肩峰とベッド間の隙間が小さくなることで、棘鎖角が増大します。
この時、側方から肩峰の位置を確認すると、後下方に変位しているため肩甲骨は下方回旋していると予測できます。

肩甲帯伸展位の症例では、前額面と肩甲骨面の角度が小さくなると、肩関節の関節窩が外側を向き、弛緩性麻痺と重力の影響で肩関節が外旋しやすくなります。そのため、肩関節の前面に伸長方向への負荷が生じたり、亜脱臼を招いたりすることもあります。

この伸長負荷が原因で痛みが誘発されることで、肩手症候群のサイクルが形成されると考えられます。

そのため、ベッドと肩甲骨の間にタオルなどを入れて、肩関節の前面に伸長負荷がかからないよう、良肢位を保つ工夫が求められます。

肩甲帯屈曲位

逆に、ポジショニングによって肩甲帯が屈曲位になってしまう場合があります。

つまり、タオルの厚みで前額面と肩甲骨面の角度が30°よりも大きくなってしまい、さらに肩甲棘と胸鎖関節は前方突出するため、棘鎖角は肩甲帯伸展位よりも小さくなります。

肩甲帯屈曲位では、肩峰の位置は前上方へ変位しているため、肩甲骨は前傾、上方回旋していると予測できます。
さらに、肩甲骨周囲の一部分だけタオルでポジショニングされていると、重力と上肢の重みで肩関節は伸展位になります。

その結果、肩甲帯屈曲位でポジショニングをされた背臥位では、肩甲骨〜上腕前面にかけて伸長方向への負荷がかかります。

 

 

肩手症候群の軟部組織の変化

関節包や筋、靭帯などの軟部組織は、脳血管疾患発症からの不動や外力による損傷の影響で、伸長性の低下や脆弱性を認めます。

不動期間の軟部組織の変化と肩関節や肩甲帯のアライメント不良が合わさることで、組織損傷が引き起こされます。

関節包

関節内圧は陰圧になっているため、関節包は関節運動時に関節の中に吸い込まれないように、関節には関節包に停止する関節筋や関節包筋が存在しています。

しかし、急性期の片麻痺者では、他動的に関節を動かされたときにこの筋が働かず、関節の中に関節包が吸い込まれて骨が圧迫されたり摩擦を受けたりして損傷することがあります。

さらに関節包は、線維芽細胞や線維細胞、コラーゲン線維で構成され、関節を安定させる作用がありますが、急性期の片麻痺者のように治療や安静のために不動が長期間続くと、コラーゲン繊維は時間共に変性し、密生化してしまいます。

また、関節包は血液供給量がすくないため、一度損傷すると修復までに時間がかかることからも、関節包の保護は重要と考えられます。

骨格筋

弛緩性麻痺を呈している急性期片麻痺者では、不動が1週間経過する頃から骨格筋の伸張性は低下して、筋長も変化します。それが関節可動域制限の原因となり、上肢のアライメント不良につながります。

骨格筋は血管が豊富なため損傷すると炎症反応が起こりやすいものの、その後に続く筋衛生細胞の作用で比較的早く修復します。

靭帯

靭帯は、不動期間が長くなると伸張性が低下します。

 

 

背臥位で上肢のどこに負荷がかかるか

肩甲帯伸展位の場合

大胸筋小胸筋などの前胸部に位置する筋は伸長方向に負荷がかかります。

それが侵害受容性疼痛や筋緊張亢進を引き起こして、有痛性運動障害につながります。

また、鎖骨下動脈腕神経叢は、①前斜角筋と中斜角筋の間、②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙、小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方、を通りますが、肩甲帯が伸展位となると②と③が狭くなり圧迫されるため、侵害刺激を受けて血流障害や末梢神経障害といった、肩手症候群を発生させるサイクルのきっかけとなってしまいます。

肩甲帯屈曲位の場合

関節窩が前方を向き、肩関節は伸展・外旋位となります。そのため、肩関節前面にある関節包や腱、肩関節内旋筋(肩甲下筋、大円筋、三角筋前部線維、大胸筋、広背筋)には伸長方向の負荷がかかり、軟部組織が損傷してしまいます。

 

 

運動療法の考え方とポイント

背臥位の良肢位保持

  1. 最初に背臥位で痛みや姿勢などを観察する
  2. 側臥位で肩甲骨内側縁を目安にタオルを配置する
  3. タオルの端を身体側へ折り込み、肩峰を持ち上げて前額面に対して肩甲骨面との角度が約30°になるように角度をつけて調整する
  4. 肩甲骨を外転位にして上肢を下ろしていく。この時、肩甲骨が内転・下方回旋しないようにする。
  5. 前額面と肩甲骨面との角度が約30°となるような角度を目安に痛みなどの症状はないか確認し、必要に応じて微調整する。

関節可動域練習

片麻痺者の症状はさまざまですが、麻痺が重度の上肢では、実用手となるか補助手となるかが、その後の生活へ影響する最も重要なポイントになります。

つまり、発症から1ヶ月間では手指に対する関節可動域練習が重要です。

  • 母指橈側外転
  • 中手指節関節外転

など。

 

 

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@physical_taro

 

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