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上肢の病的共同運動パターンについて考える②

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リハビリテーション
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こんにちは。physical太郎です。

今回も、上肢の病的共同運動パターンについて考えます。

 

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上肢の病的共同運動パターン

共同運動パターンといえば、脳卒中片麻痺者の症例で多く見かけるかと思います。

上肢では、肩関節屈曲の運動で外転・体幹側屈が生じるような現象ですね。

これがきっかけで、肩関節屈曲運動などで肩関節外転や胸腰部側屈などの代償運動が起こり、目的とする動作の獲得ができない、なんて場面を多く見かけます。

しかし、これを一様に共同運動パターンとまとめてしまっては、より効果的な運動療法はできないのではないでしょうか。

単に神経の上位運動ニューロン障害として考えるだけでなく、運動学的な視点で解釈することで、目的とする運動の獲得に近づくと思われます。

今回の記事では、なぜ上肢挙上で肩関節外転を伴うのかを考えてみます。

 

 

肩関節屈曲の主動作筋の筋活動特性

肩関節屈曲時には、三角筋前部繊維大胸筋鎖骨部繊維が主動作筋として活動します。

様々な研究より、

  • 三角筋前部繊維大胸筋鎖骨部繊維の筋活動は、肩関節屈曲角度が増加すると共に、肩関節屈曲120°まで徐々に増加する
  • 肩関節屈曲120°以降の角度では、三角筋前部繊維の筋活動に加え、三角筋中部繊維後部繊維の筋活動が増加し大胸筋鎖骨部繊維の筋活動は減弱する

といわれています。

 

 

肩関節屈曲時の体幹機能の特性

脊柱の肢位変化

肩関節屈曲角度が増加すると共に、胸腰部では伸展・非麻痺側への側屈を認めるといわれています。

 

体幹背面筋の筋活動の変化

  • 挙上側の最長筋の筋活動は、肩関節屈曲90°位で増加する。これは、上肢の質量が最も前方へ変位する肢位のためと考えられます。また、肩関節屈曲角度が増加するしたがって、胸腰部は伸展・非挙上側への側屈が起こるため、それに拮抗するために筋活動が増加すると考えられます。
  • 両側の多裂筋は、肩関節屈曲60°、90°位と比較し、150°位で多裂筋の筋活動が減少するといわれています。これは、一側の肩関節屈曲150°保持時には、腰椎前弯が増加しますが、腰椎部には従重力位での前弯方向への負荷がかかるためと考えられます。

 

 

片麻痺者の肩関節屈曲運動で外転運動が起こる理由

片麻痺者の肩関節機能の特性による影響

三角筋中部繊維の活動は、肩関節屈曲120°までは少なく、それ以上では後部繊維と共に筋活動が増加すると説明しました。

肩関節屈曲と内旋が同時に起こる場合、上腕骨が挙上していく方向に三角筋中部繊維が位置するため、肩関節屈曲開始後から三角筋中部繊維が活動すると考えられます。

こうしたことから、三角筋中部繊維には肩関節外転作用があるため、肩関節屈曲角度が増加すると共に外転方向への運動も起こりやすくなると考えられます。

 

片麻痺者の体幹や股関節の機能による影響

片麻痺者の体幹と股関節機能も、肩関節屈曲と共に外転方向の運動が起こることに関係すると考えられます。

片麻痺者の座位姿勢は、教養部の屈曲と共に、麻痺側の股関節屈曲角度は小さくなります。さらに、骨盤は麻痺側の方がより後傾しやすくなっています。

また、多くの片麻痺者の胸腰部では、

  1. 胸腰部の伸展作用がある最長筋や多裂筋の筋緊張低下
  2. 体幹伸展の関節可動域制限
  3. 腹直筋、外腹斜筋斜行繊維の筋緊張亢進や低下

などが起こりやすいです。

さらに片麻痺者の麻痺側股関節は、

  1. 腸骨筋と大殿筋の筋緊張の低下
  2. 股関節屈曲の関節可動域制限
  3. ハムストリングスの筋緊張亢進

が起こりやすいです。

座位姿勢でこのような体幹と股関節の機能不全があれば、胸腰部伸展、股関節屈曲と共に起こるはずの骨盤の前傾方向への運動が難しくなります

そのため、一側の肩関節屈曲運動時のに胸腰部伸展や非麻痺側への側屈が共同して生じることが困難になると考えられます。

 

胸腰部の伸展が困難な症例では、一側の肩関節屈曲運動で生じるはずの胸腰部伸展が不十分となります。その代償として、健常者と比較すると胸腰部の非挙上側への側屈が大きくなると考えられます。

また、非挙上側の最長筋の筋緊張が低下している症例では、肩関節屈曲90°保持時に胸腰部の非挙上側側屈を制動するための筋活動が不十分になります。そのため、健常者と比較すると、胸腰部の非挙上側への側屈が大きくなると考えられます。

つまり、これらの症例のように、体幹や股関節の影響で、一側の肩関節屈曲動作時に胸腰部の非挙上側への側屈が大きくなる場合、上肢は空間上さらに肩関節が外転しやすくなると考えられます。

 

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運動療法の考え方

ポイントは以下の通りです。

  1. 肩関節屈曲時のに大胸筋の筋緊張亢進が原因で内旋運動が生じやすいと判断した場合は、上肢の運動方向によっては、三角筋中部繊維の運動早期からの筋活動開始により、外転方向の運動となってしまう。そのため、大胸筋の筋緊張が亢進する要因を評価する。
    つまり、肩関節屈曲時に必要な前鋸筋の筋活動によって肩甲骨の外転・上方回旋が十分に生じる能力があるか、さらに菱形筋の筋緊張亢進や伸張性低下により肩甲骨が内転、・挙上位を呈していないかを評価する。
  2. 体幹機能の評価として、一側の肩関節屈曲と共に、胸腰部の伸展、非挙上側への側屈が困難の場合には、その機能障害を評価する。
    例えば、一側肩関節屈曲に伴う胸腰部の伸展が困難なことや、非挙上側への過度な側屈が生じる場合には、胸腰部の伸展作用がある最長筋や多裂筋の筋緊張低下体幹伸展の関節可動域制限腹直筋・外腹斜筋斜行繊維の筋緊張亢進と低下が生じていないかを評価する必要があります。
  3. 麻痺側股関節の機能として、股関節屈曲に伴う骨盤の前傾方向への運動が困難なことで、胸腰部の伸展が不十分である場合には、腸骨筋と大殿筋の筋緊張低下股関節屈曲の関節可動域制限ハムストリングスの筋緊張亢進が生じていないかを評価する必要があります。

 

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@physical_taro

 

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